RIKEN BMTコンテスト開催のお知らせ |
理化学研究所 情報基盤センター
理化学研究所・情報基盤センターでは計算機の性能評価を行う RIKEN BMT コンテストを開催します.
RIKEN BMT コンテストで使用するベンチマークは,計算機の性能評価に用いられることが多い,非圧縮性流体の Poisson 方程式ソルバーとHartree-Fock MO(Molecular Orbital)法における二電子積分計算ソルバーです.具体的には以下の 2 種類を使用します.
- Poisson FDM-BMT
- ERI MO-BMT
このコンテストでは,計算機の種類・規模は問わない「無差別部門」,そして,使用する計算機を1台だけを使った結果に限定し,Poisson FDM-BMT のみを対象とする「実効性能部門」の 2 部門を用意しました.
それぞれの部門に応募して頂いた中で,最も良い成績を修めた方を 3月12日に開催いたします「理研シンポジウム」において表彰し、”RIKEN BMT Award”を授与します.奮ってご応募ください.応募の方法などの詳細はこちらをご覧ください.また,疑問・お問い合せ等はまでご連絡ください.
RIKEN BMT コンテスト
- コンテストの目的
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コンテストの目的は 2 点です.1点目は BMT を最も高速に処理できる計算機の結果を得ること.2 点目は Poisson FDM-BMT の実行において,1台の計算機を使って個人の努力においてどれほど高速化できるかという点です.
- 応募資格
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ベンチマークを行う意思のある方ならどなたでも対象とします.
ただし、事前登録制としますので,応募される方は2月20日までに登録を行ってください.応募登録は,個人またはグループの代表者の方の氏名、所属、連絡先およびベンチマークの部門をまで御連絡下さい. - 受賞対象
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受賞者はサイトではなく,ベンチマーク値を計測した個人またはグループとします.ただし,サイトに導入されたマシンの場合,所有サイトに了解を得られていることとします.
- 応募期間
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応募の締め切りは2009年3月4日とします.
- 応募方法
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応募要領の「測定に関する注意点」を確認後,プログラムを実行してください.その後,応募要領に示す「応募に必要な情報」を e-mail で次のアドレスにお送りください.
- 送り先
件名(Subject): RIKEN BMT Award- ベンチマークテスト結果の公開について
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応募されたベンチマークテスト結果につきましては一般公開させていただきます.結果の公開にあたって、ベンチマークテスト実施者のお名前、所属等そして用いた計算機の諸元等は掲載させて頂きます.
送られた個人情報等の内容を調査以外の目的で使用するなどして、テスト結果をご提供いただいた方にご迷惑をおかけすることは、一切ございません.但しベンチマーク結果に対して我々から問い合わせをする場合もあります.また公開するベンチマークテストの結果に関する責任はベンチマークテストの実施者にあるものとします.当方では責任を負いませんので、その責任において応募・実施して頂くようお願い致します.
応募要領
無差別部門
Poisson FDM-BMT と ERI MO-BMT を高速に解けたマシンが表彰対象です.計算機アーキテクチャは何でもありとします.本部門では2つのベンチマークプログラムを用いますが,スコアは FDM,MO 毎に,応募があった最大性能を 1.0 として,その他を最大との割合に変換し,その値を足し合わせたものとします.よって,最高スコアは2.0となります.
- 【使用するベンチマーク】
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2つのベンチマークを実行します.(ベンチマークの詳細は下記)
- Poisson FDM-BMT は HimenoBMT XP (Fortran77版)を用います.計算サイズは S, M, L, XL のいずれかとします.Poisson FEM-BMT は提供する以下のプログラムコードを用います.
(MPI版) ダウンロード (PoissonFDMmpi.lzh) - ERI MO-BMT は Fortran で記述されており,入力データはソースコードとともにお渡しします.ソースコードは登録時にお渡しします.
- Poisson FDM-BMT は HimenoBMT XP (Fortran77版)を用います.計算サイズは S, M, L, XL のいずれかとします.Poisson FEM-BMT は提供する以下のプログラムコードを用います.
- 【測定に関する注意点】
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- Poisson FDM-BMT の分割パターンは自由とします.
- ERI MO-BMT は MPI で並列化されていますが,並列度を1プロセス(1Core)に固定し逐次として実行します.実行した値をコア数倍した値を性能値とします.
- プログラムコードの改変は不可とします.
- 【測定方法】
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README をご覧ください
- 【応募に必要な情報】
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結果 : 2 つのベンチマーク実行後に出力される情報一覧(編集しないこと) エントリー名 : 御名前あるいはグループ名(代表者),所属(任意) ハードウェア情報 : システム名称(マシンの愛称等)
CPU の種類(CPU 名称,駆動周波数,使用 CPU 数)
総搭載メモリ量(メモリの種類)
通信機構名称あるいはネットワークトポロジーと通信帯域(MB/s)についてソフトウェア情報 : OS とバージョン
コンパイラとバージョン
コンパイルオプション
実効性能部門
旧 PC 部門は 1CPU での実効性能をベースにチューニングによる速度向上をスコアとして用いていましたが,速度向上は昨年の 4GPU 構成での性能向上で行くところまで行ったという状況ですので,今年は評価方法を変更して,実際にコード変更による実効性能を競うレギュレーションとします.
Poisson FDM-BMT のチューニングによる実行効率を対象とします.ハードウェアは一般的な計算機1台(Intel64系,AMD64系,PowerPC系CPUを2ソケットまで搭載した計算機)を用いるものとします.チューニングに用いる言語は,FORTRAN77,C 言語あるいは一般に公開されている言語に準拠するプログラムとします.また,GPU 等の利用を制限することはありません.チューニングにより演算量が変わる場合も想定されますが、それは考慮せず出力される MFLOPS 値を実効性能とし、理論ピーク性能の割合を BF 比で除した数値をスコアとします その実効性能の対理論ピーク性能との割合をBF(Byte/FLOP)比で除した数値をスコアとします.つまり,実効性能が(1GFLOPS)で,用いたプロセッサの理論ピーク性能が(10GFLOPS),ピークメモリバンド幅が(5GB/s)とすると,(実効性能/理論ピーク性能)/(ピークメモリバンド幅/理論ピーク性能)で算出し,(1/10)/(5/10)=0.2がスコアとなります. (1月26日修正)
- 【使用するベンチマーク】
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1つのベンチマークを実行します.(ベンチマークの詳細は下記)
Poisson FDM-BMT は HimenoBMT XP (Fortran77/C 版)を用います.計算サイズは M サイズを用います
(1CPU版) ダウンロード (bmt_1pc.zip 5,569 byte) - 【測定に関する注意点】
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- FORTRAN77 あるいは C 言語に準拠するプログラムの改造は可能です.ただし,チューニングは元プログラムと比べて,計算に利用する問題サイズ・データ量が同じであり,残差値等は有意に同じ結果が得られること.
- 改変後のプログラムはご自分で作成されたものであること.
- 二次著作物の著作者財産権は放棄頂けること.著作者人格権を行使されないこと.
- チューニングは元プログラムと比べて,演算に用いる配列データが同じであり,配列 p に改変前と同じ結果(配列 p の総和の誤差で比較)が得られること.
- 基準となる理論ピーク性能と BF 比は応募者と協議して決定します.
- ハードウェアをダウンクロックしたものを基準にするのはやめて下さい.
- 【測定方法】
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README をご覧ください
- 【応募に必要な情報】
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結果 : 元プログラムとチューニング後のプログラムのベンチマークをそれぞれ実行後,出力される情報一覧(編集しないこと) ソースコードの説明 : チューニングしたプログラムコードとともに
チューニング方法についての説明プログラムコードを改変した場合,プログラムコードエントリー名 : 御名前あるいはグループ名(代表者),所属(任意) ハードウェア情報 : システム名称(マシンの愛称等)
CPU の種類(CPU 名称,駆動周波数)
総搭載メモリ量(メモリの種類)等ソフトウェア情報 : OS とバージョン
コンパイラとバージョン
コンパイルオプション
ベンチマークの詳細
科学技術計算におけるベンチマークプログラムは Linpack や SPEC が世界的に認められています.また、Linpack プログラムの性能値から Top500 リストが決められています.ベンチマークテストに用いるプログラムは自分のプログラムにおいて行うのが最も効果的です.Linpack と同等のプログラムを使うユーザーにとって Linpack ベンチマークの結果は有益ですが、それ以外ではあまり重要な性能指標にはなりません.
ここでは,計算流体力学と計算化学の分野で利用されるプログラムの性質をよく示す2つの ベンチマークを用います. 計算流体力学(CFD, Computational Fluid Dynamics)コードのコア部分のコードと分子軌道計算コードのコア部分です.CFDコードはこれまでHimenoBMT あるいは姫野ベンチと呼ばれていたものです.もう一方は,財団法人 九州先端科学技術研究所の稲富雄一博士によるHartree-Fock MO法およびFMO法の計算コアである二電子積分計算ソルバーです.非圧縮性流体解析プログラムで最も計算負荷が高い,圧力に関する Poisson方程式求解部分の処理速度を測定し,分子軌道計算の主要ルーチンである二電子積分計算部分の並列化を行っている部分を測定します.
謝辞:
本ベンチマークコンテストを行うにあたりERI-MO BMTコードおよび初期データを御提供頂いた財団法人 九州先端科学技術研究所 稲富雄一 博士に感謝致します.