プログラム

内容は随時更新します。

時間 プログラム
10時00分 – 10時05分 開会挨拶
1. GPUは専用アクセラレータではない-ポストペタスケールへのスケーリングへの本質的な変容
10時05分 – 10時55分
東京工業大学 学術国際情報センター 教授
松岡 聡 様
松岡聡様

【要旨】我が国初のペタスケールスパコンであるTSUBAME2.0はGPUを大幅に採用しているが、その本質は20年来の計算機アーキテクチャでは知られていた細粒度マルチスレッド・ベクトル並列プロセッサのようやくの具象化である。今後のポストペタ時代においてその性質は本質的であり、決して「専用アクセラレータ」ではないことをTSUBAME2.0の設計理念およびアプリケーションの結果から論じ、ポストペタ時代のTSUBAME3.0への道も探る。

2. 基調講演 Sailing towards Extreme Levels of Computing
10時55分 – 11時45分
Dr. Osni Marques
Scientific Computing Group
High Performance Computing Research Department
Computational Research Division
Lawrence Berkeley National Laboratory (LBNL)
Dr. Osni Marques

【要旨】Extreme levels of computing – aka exascale computing – capabilities are expected to become a reality by the end of this decade. The pursuit of these capabilities is greatly motivated by the needs of a range of applications since it offers an unprecedented opportunity for transformative discovery, prediction and design. Nonetheless, the path to exascale computing presents formidable cost and technological challenges. Expected changes in hardware will impact the way these computers are not only programmed but also built. Meanwhile, it is necessary to have a strategy to make the transition from current to exascale levels of computing less painful to the broad scientific computing community. In this presentation we will give an overview of efforts, in particular those under the auspices of the US Department of Energy, that aim at extreme levels of computing.

【昼休憩】
3. 京速コンピュータ「京」の開発状況について
13時00分 – 13時40分
理化学研究所
次世代スーパーコンピュータ開発実施本部
開発グループ
グループディレクター
横川 三津夫
横川 三津夫

【要旨】京速コンピュータ「京」の製作が開始された.開発の進捗状況について述べる.

4. HPC 最新技術動向
13時40分 – 14時20分 4-1. NVIDIA GPU コンピューティング

エヌビディア・ジャパン
Tesla Quadro 事業部
マーケティングマネージャー
林 憲一 様
林憲一様

【要旨】NVIDIAのGPUコンピューティングのビジョンと戦略、現在そして未来にNVIDIAはどんな価値を提供するのか、NVIDIA TeslaおよびCUDAの最新情報、ISV、ソリューションパートナーの状況をご紹介します。

14時20分 – 15時00分 4-2. HPC向けインテルプロセッサと最新ソフトウェア開発ツール

インテル株式会社
インテル技術本部 ソフトウェア&サービス統括部
部長
池井 満 様
池井満様

【要旨】インテルは主流のサーバー向けプロセッサとしてXeon シリーズを販売しており、広くHPCの分野で使われている。この最新のXeon プロセッサ、次世代のSandy Bridgeアーキテクチャと、昨年製品化の予定が発表されたMany Integrated Core (MIC) アーキテクチャの等、最新のHPC向けインテルプロセッサについて紹介する。また、これらのアーキテクチャ上での開発ソフトウェアの互換性担保を目的として提供される、弊社ソフトウェア開発ツールについても簡単に紹介する。

【20分休憩】
5. 利用者表彰と発表
15時20分 – 16時20分 5-1. 結晶構造予測法の氷科学、地球惑星科学、高圧物質科学への応用

理化学研究所
戎崎計算宇宙物理研究室
専任研究員
飯高 敏晃
飯高 敏晃

【要旨】与えられた温度圧力条件および化学組成のみを入力データとして結晶構造を予測する、「第一原理結晶構造予測法」のアイデアは長い歴史を持っているが、結晶構造の探索空間の膨大さと計算機能力の限界からその実用的予測能力は疑問視されることが多かった[J. Maddox, Nature 335, 201 (1988)]。しかしこの数年になって、並列計算機の能力の向上と各種アルゴリズムの改良により、比較的単純な系(T=0Kにおける単元素系など)においては、かなり信頼できる結果が得られるようになってきた。講演では氷科学、地球惑星科学、高圧物質科学への応用例をもとに第一原理結晶構造予測法を解説する。

5-2. マルチコピーシミュレーションによるタンパク質構造サンプリング

理化学研究所
社会知創成事業
次世代計算科学研究開発プログラム
特別研究員
松永 康佑
松永 康佑

【要旨】タンパク質の機能とは、リガンド等の小分子を入力とした、応答してのタンパク質の立体構造変化として捉えることができる。しかしながら、立体構造変化はミリ秒~秒で起こる遅い過程であり、Brute forceシミュレーションでこれを再現するのは非常に困難である。そこで我々は、単一のシミュレーションの代わりに、統計力学理論に基づいて多数のコピー系を連携させることで立体構造変化パスウェイを効率的に探索するプログラムを開発している。本講演では、プログラムの内容とともにその応用例を紹介する。

16時20分 – 16時30分 表彰 表彰の様子
6. 情報基盤センターより
16時30分 – 17時00分 6-1. 倍々精度RgemmのnVidia C2050上への実装と応用

理化学研究所
情報基盤センター
協力研究員
中田 真秀
中田 真秀

【要旨】倍々精度RgemmのnVidia C2050上への仕様を完全に満たした実装と応用を行った。RgemmはMPACK(http://mplapack.sourceforge.net/) のルーチンで、BLASのdgemmの高精度版である。最大性能は転送を含めた場合は15.1GFlops、精度を落とした場合24.2GFlopsとIntel Xeon 3470での参照実装と比較してそれぞれ150倍, 240倍高速化された。NathらのPointerRedirectingを使い、一般の次元でも6%程度のパフォーマンスロスで計算できた。半正定値計画法ソルバSDPA-DDにも組み込み、10倍程度高速化された。なおこのRgemmはMPACKの次期バージョンとして公開予定である。

17時00分 – 17時30分 6-2. スーパーコンピュータRICCの現状と取組みについて

理化学研究所
情報基盤センター
技師
野田 茂穂
野田 茂穂

【要旨】理化学研究所のスーパーコンピュータRICCの現在の運用状況を紹介するとともに、より高度な利用を目指すための取り組みについて述べる。

閉会
18時00分 – 19時30分 懇親会(広沢クラブ)