2015年になってブラックホール同士の合体からの重力波が初めて観測された。今後 数年で中性子星を含む連星、例えばブラックホール・中性子星連星の合体も見つかる と期待されている。その場合は中性子星を構成していた物質が放出され、金やプラチナ などの重元素を合成し、その崩壊熱が突発的電磁波放射として観測されると期待されて いる。この過程で、中性子星の磁場が質量放出や元素合成、増光現象にどの程度寄与 するかは未解明であり、特にブラックホールの質量が現実的に大きい場合についての 理論計算を遂行することが必要である。また、ショートガンマ線バーストの解明のため にも磁場の役割への理解を進めることは必須である。本講演では京コンピュータで得ら れたブラックホール質量が比較的小さい場合の成果を紹介しつつ、今後の研究計画を説明 する。